out-of-humor2
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雑記8/22
 ボンにキセイした折。
 居間で座っていた親父の傍ら、読みかけの本が無造作に置かれていた。

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 素晴らしい!
 なんという下世話さだろう!
 これが70(歳)の読む本か!?
 無論これは賞賛である。賞賛の言葉以外思いつかない。
 
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蝉とカップル
 西成区。26号線沿いの歩道にて。朝8時頃。前方に中年のカップルがいた。女は肌色のいささか大き目と思われるサイズのスーツを着ていて、男は同じく肌色のポロシャツを着ていた。女が街路樹を指さし、少し跳ねながらなにか男に叫んだ。韓国語のようであった。女は興奮していた。男はまず街路樹と女を交互に見、やはり韓国語らしき言葉で女になにごとか告げたのち、腕ぶすような様子で街路樹を見上げた。
 蝉が留まっていた。
 男はガードレールに右足をかけ、その股を割った格好のまま左足のつま先を伸ばし、そして左手を樹皮に食い込ませて右腕を伸ばし、これはもう限界と思われるところまで体全体をピンと伸ばしきった。
 男はそのいかにも不安定な体勢で、しかし驚くべきことに静止していた。静止して、蝉を狙っているのだった。
 時間が止まった。
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 意を決した男が、椀状にした右手で蝉を乱暴に捕まえにいった刹那!
 女は「ひゃあ」と大声を出した。
 蝉は逃げた。
「ジジジジッ」と鋭い声を発して、蝉は見えない何かを迂回するように、束の間螺旋を描きながらみるみる上昇していった。
2011初雑記
●前回「薄皮クリームパンの話」は確か9ヶ月ぶりの更新だったのであるが、今回はなんと1年半ぶりの更新である。すげえな、まったくもってふてぶてしい。「ブログ」の体を成していない。1年半ぶりだなんて、ほとんど大御所バンド並みのリリースインターバルではないか。ま、それはさておき皆さん元気にお過ごしですか?
「ハンブルグ浮世絵コレクション展」に行った。今年に入って何故か江戸中期~後期の絵師の作品をよく観ている。歌川国芳、伊藤若冲、長沢芦雪。その前には智積院や養源院を回って等伯や宗達を観ているので、これはもしかしてハマっているのか。ハマらされているのか。
●先日、古いマックを久しぶりに立ち上げて何呉となく過去に書いた原稿やらを見ていたら、3年前だか4年前だかの、次のような記事を見つけて笑った。
●いきなり「相撲取らないか!」高齢者投げ倒し5000円強奪…長野・千曲市

 長野県千曲市で「相撲を取ろう」と高齢者男性を強引に誘い、引き倒したスキに現金5000円を奪った男が御用となった。
 千曲署は13日、強盗容疑で同市の無職・荒井弘一容疑者(42)を逮捕した。逮捕容疑は、12日午後3時45分ごろ、同市にある神社境内にいた男性(78)を地面に倒し、その際にズボンのポケットに入っていた財布から5000円を取った疑いが持たれている。
 同署の調べでは、荒井容疑者は犯行前、男性と世間話をしていたところ、唐突に「相撲を取らないか」と“取組”を申し込んだ。「何でやらなきゃいかんの」とした男性の抵抗もむなしく、同容疑者は容赦なく男性の腰に手をかけた。
「容疑者は身長170センチほどで中肉中背で、被害者男性はやせ形」(同署)という体格差、腕力差は歴然だったため、勝敗は一瞬でついた。男性の腕をつかんで引き倒した上に馬乗りになった。その際に財布を抜き取り、現金を奪った。荒井容疑者は歩いて現場から立ち去ったという。
 被害者男性がすぐに110番通報。駆け付けた署員が付近にいた荒井容疑者を発見。同署で男性が 同容疑者を確認したため逮捕した。
 調べに対し、荒井容疑者は「神社にはいたが、犯人は俺じゃない」と容疑を否認。また、相撲経験者ではないという。
●↑俺は何を後生大事に保存していたのか。しかしながら最後の一文は何度読んでも蛇足である。少々ムカっとくるぐらいの蛇足だ。「『何でやらなきゃいかんの』とした男性~」などといった表現からは光るものを感じるのだが。
●あ、そうそう。薄皮クリームパンだが、フニャフニャして甘ったるいだけで今は全然美味しくないと感じている。俺はいったい何をしていたのだろうか。
雑記6/19
●時々行く銭湯に次のような貼り紙がある。『レンタルロッカー以外のところにおいてある「物」は処分しますので、不用なものはおかないでください』。難しい文章だ。まず、これはそもそもパラドックスじみている。そして話をさらにややこしくしているのが、“モノ”という言葉を書き分けている点である。前段のカッコで括られた「物」は、後段の“不用なもの”の“もの”とは別の何かを指すのだろうか。然り、指すのである。書き手の意識がどうであれ、このテキストはそう読まれるのが自然である。では「物」とは、「もの」とはなんだろう。さしあたって、僕には分からないままだ。この銭湯の主は僕に、あるいは筋彫りのおっさんに、何を言おうとしているのか。
●最近立て続けに、昔頻繁に会っていて、現在疎遠になってしまった方々から不意に連絡があり、会った。だいたい僕はライターなどという仕事に携わっているくせに極めて交際範囲が狭く、限られている。それは僕の資質と仕事のやり方に起因しているのであって、僕自身はそのことを誇らしいとも恥ずかしいとも思わないが、少なくともそうであるだけに、一度仲良くなった人たちはやはりいつまでも大切である。元K談社のIさんと現TワーレコードのAさん、お元気で。またいつか会いましょう。
●先日嫁とくだらぬことで言い争いになり、嫁の家に置いてあった荷物を憤慨しながらかき集め、引き払い、西成の自宅に帰ってきた。が、ここ数年、僕は実質的には嫁の家で生活していて、自宅には郵便物やFAXを確認するためにちょろっと帰るだけであったため分からなかったのだが、いざ本腰を入れて生活するとなると部屋の空気の悪さが不快でたまらない。実際数時間過ごすと喉が痛くなってきた。数年間まともに掃除をしていないのだから当然である。しかしながら威勢良く啖呵を切って出てきた以上、「喉が痛くなったからやっぱり戻るわ」などと情けないことは言えない。
●だがここに伏線があり、さかのぼること2週間前、僕は久しぶりに扁桃腺が腫れに腫れて、数日間40度前後の高熱に苦しんだのだった。もうあんな思いをするのは御免である。いささかでも「喉が痛くなる」のは恐怖以外の何ものでもない。
●よって慌てて掃除を始めることにした。が、掃除機の「吸い」がすこぶる悪い。吸うのに時間がかかるだけでなく、折角吸ったものを戻したりする。おそらく喉元のところで止まっているのだろう。
●耐えられん。なにせこちらは「喉痛」への恐怖感で縮み上がっている。決然と自転車に飛び乗り、L○BIに掃除機を買いに行った。販売員のおっさんが実に胡散臭い男で、どういう魂胆か知らないが、いやにサイクロン式を腐し、手入れが面倒だと罵倒する一方で、紙パック式を勧めてくる。僕は「吸い」さえすればなんでもよいので、「じゃ、それで」と言って紙パック式を買った。「ありがとっす」とおっさんは言った。
●それを大仰に抱えて帰宅し、ホースの捩れをものともせず掃除機をぶん回し、一通りゴミやホコリを吸い上げた。が、どうもさっきより「喉痛」が酷くなっている気がする。何か明確に「高熱」へと転じる予感がある。これはホコリだけではないな、と僕は考えた。ウイルスではないか。なにか得体の知れないウイルスがはびこっているのではないか。そう考えると背筋の凍る思いがして、この部屋に放置されていた全ての物にウイルスが付着しているという疑念が沸き、とりあえず目に付いた服とカーテンと布団をゴミ袋に詰め込み、捨てに行き、その足で○トリへカーテンと布団を買いに行った。
●新しい布団を引いて、寝転んでみた。少し自由な感じがした。疲れていたのだろう。そのまま数時間寝てしまった。
●起きると僕はまた震え上がった。なんだか熱っぽい。それに喉の辺りを手で触ると、ポコッポコッとシコリのようなものが、確実な手ごたえとして認識できた。あかん。これは熱が出る。もがき苦しむ恐ろしい未来。それはもはや疑いようのないものだった。残留ウイルスだ、と僕は思った。寝ている間にウイルスをたらふく吸い込んだに違いない。でなければ、こうも急速に喉が腫れるものか。
●また僕は自転車を走らせた。空気清浄機を買いに行った。僕は自分が、これほど空気の良し悪しを気にする人間だとは思っていなかった。しかし「喉痛」への恐怖は、すでにヒステリーの域に達している。その空気清浄機を担いで自転車を漕いだ。空気清浄機はクソ重かった。だが今度こそウイルスを一掃してやるという一念、このヒステリーの一念によって、僕はその任務をつつがなく終えた。
●荒々しくダンボールを開け、空気清浄機を引っ張り出し、早速作動させた。(空気が)「きれい」「普通」「汚い」のランプがあり、初め「きれい」のランプが点灯した。うそつけと思った。この部屋には殺人ウイルスが充満しておる。「きれい」なわけがないだろうが。僕はこの空気清浄機の、空気の良し悪しに対する鈍感さにうんざりした。事実、事実ここにウイルスにやられた人間がいる。その人間を前に、おまえ、「きれい」などと何故言えるか。この役立たずが。
●僕はすっかりくたびれてしまっていた。今日一日でいくらお金を使っただろう。重い荷物を抱えて、自転車を漕ぎ、喉は腫れ、熱のせいで体もだるい。僕は本当に疲れきっていた。僕は恨めしげに、のっぺりとした空気清浄機を見つめた。それは実に平板で込み入った仕掛けも無く、愛想も無く、まったく能が無いように思われた。
●しかしその時、僕はふと閃いて、タバコに火を付け、そののっぺりとしたボディーに煙を吹きかけた。僕は不機嫌な顔で見つめていた。すると、パッとランプが「普通」に変わった。
●僕はなんとも言えぬニヤけた顔をした。
●タバコを吸い終わり、数分間見ていると、ランプが再び「きれい」に戻った。文字通り、空気を「きれい」にし終えたのだろう。僕はもう一度タバコを吸い、煙を吹きかけた。するとやっぱりランプが「普通」に変わった。
●僕はほくほくして、またニヤけた顔をした。
雑記4/16
「エハイク」が終わったようだ。春手錠にももう会えないかと思うと悲しい。それはそうと「吉田戦車の漫かき道」を読んだが、「西部」はたまらん話だ。見破られる恐怖。それも複雑なトリックや周到な策略を見破られるのではない。心のうちのしょーもない楽しみを、しょーもない奴に見破られるあの恐怖。「人間失格」の名シーンを思い出す。

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 もはや、自分の正体を完全に隠蔽(いんぺい)し得たのではあるまいか、とほっとしかけた矢先に、自分は実に意外にも背後から突き刺されました。それは、背後から突き刺す男のごたぶんにもれず、クラスで最も貧弱な肉体をして、顔も青ぶくれで、そうしてたしかに父兄のお古と思われる袖が聖徳太子の袖みたいに長すぎる上衣(うわぎ)を着て、学課は少しも出来ず、教練や体操はいつも見学という白痴に似た生徒でした。自分もさすがに、その生徒にさえ警戒する必要は認めていなかったのでした。
 その日、体操の時間に、その生徒(姓はいま記憶していませんが、名は竹一といったかと覚えています)その竹一は、れいに依って見学、自分たちは鉄棒の練習をさせられていました。自分は、わざと出来るだけ厳粛な顔をして、鉄棒めがけて、えいっと叫んで飛び、そのまま幅飛びのように前方へ飛んでしまって、砂地にドスンと尻餅をつきました。すべて、計画的な失敗でした。果して皆の大笑いになり、自分も苦笑しながら起き上ってズボンの砂を払っていると、いつそこへ来ていたのか、竹一が自分の背中をつつき、低い声でこう囁(ささや)きました。
「ワザ。ワザ」
 自分は震撼(しんかん)しました。ワザと失敗したという事を、人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。自分は、世界が一瞬にして地獄の業火に包まれて燃え上るのを眼前に見るような心地がして、わあっ! と叫んで発狂しそうな気配を必死の力で抑えました。(太宰治「人間失格」より。絶対に後世へ語りついでいかねばならない「ワザ。ワザ」のくだり)

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●地獄の業火に包まれて燃え上るのを眼前に見るような心地…。何を大げさな、などと言うなかれ。そこは確かに地獄で、確かに猛烈な勢いで燃え上がっているのである。

●植草さんがまた実刑くらいましたね。

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心証が悪い。とにかく心証が悪すぎる。
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