out-of-humor2
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雑記4/16
「エハイク」が終わったようだ。春手錠にももう会えないかと思うと悲しい。それはそうと「吉田戦車の漫かき道」を読んだが、「西部」はたまらん話だ。見破られる恐怖。それも複雑なトリックや周到な策略を見破られるのではない。心のうちのしょーもない楽しみを、しょーもない奴に見破られるあの恐怖。「人間失格」の名シーンを思い出す。

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 もはや、自分の正体を完全に隠蔽(いんぺい)し得たのではあるまいか、とほっとしかけた矢先に、自分は実に意外にも背後から突き刺されました。それは、背後から突き刺す男のごたぶんにもれず、クラスで最も貧弱な肉体をして、顔も青ぶくれで、そうしてたしかに父兄のお古と思われる袖が聖徳太子の袖みたいに長すぎる上衣(うわぎ)を着て、学課は少しも出来ず、教練や体操はいつも見学という白痴に似た生徒でした。自分もさすがに、その生徒にさえ警戒する必要は認めていなかったのでした。
 その日、体操の時間に、その生徒(姓はいま記憶していませんが、名は竹一といったかと覚えています)その竹一は、れいに依って見学、自分たちは鉄棒の練習をさせられていました。自分は、わざと出来るだけ厳粛な顔をして、鉄棒めがけて、えいっと叫んで飛び、そのまま幅飛びのように前方へ飛んでしまって、砂地にドスンと尻餅をつきました。すべて、計画的な失敗でした。果して皆の大笑いになり、自分も苦笑しながら起き上ってズボンの砂を払っていると、いつそこへ来ていたのか、竹一が自分の背中をつつき、低い声でこう囁(ささや)きました。
「ワザ。ワザ」
 自分は震撼(しんかん)しました。ワザと失敗したという事を、人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。自分は、世界が一瞬にして地獄の業火に包まれて燃え上るのを眼前に見るような心地がして、わあっ! と叫んで発狂しそうな気配を必死の力で抑えました。(太宰治「人間失格」より。絶対に後世へ語りついでいかねばならない「ワザ。ワザ」のくだり)

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●地獄の業火に包まれて燃え上るのを眼前に見るような心地…。何を大げさな、などと言うなかれ。そこは確かに地獄で、確かに猛烈な勢いで燃え上がっているのである。

●植草さんがまた実刑くらいましたね。

20080416-00000028-mai-soci-thum-000[1]


心証が悪い。とにかく心証が悪すぎる。
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雑記4/9
●もう一ヶ月くらい経つのだろうか。新聞のラテ欄。「明石家電視台」の文言がよかった。記憶が不確かであるが、記しておこう。「さんまナオコと絶妙トークで爆笑ナントカ(←忘れた)話。クイズはバ吾郎参戦でくりぃむとナントカ(←ココも忘れた)」。バ吾郎。なんて素敵な縮め方か。マ元帥(中曽根康弘『憲法改正の歌』より)を思わせる。
●取りつかれたようになんども西遊記のオープニングを観る。冒頭のナレーション部分が良い。正確に言えば、ナレーションが良いのではなく音楽が良いのだろう。芥川隆之の名調子もこのときばかりは「うん、うん、ちょっと一回黙ってみようか」(←ごっつええ感じ『あざみ』より)と言ってみたくなる。
●モン・サン=ミシェル。この妙な名前の建造物をおそらく日本人の多くが知っていて、そしてもう妙な名前とは感じられぬほど愛着を持ち、憧れている。なぜ憧れたか。なにが動機か。「世界遺産」という名のブランド力が先か、モンサンの絶勝が先か。答えは多分決まっている。しかし事実、隣にはモンサンモンサンと言っている嫁がいる。やれモンサンに行きたい。やれモンサンはすごい。だがモンサンとは何事であるか。
「フランス語でモンは山で、サンは聖なるっていう意味らしいで」
「それが何や。俺はモンサンのことを言っている。言葉の塊としてのモンサンについて言っている」。ちっっ、という鋭い嫁の舌打ち。
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